カテゴリー別アーカイブ: 海外会計システム

イギリスへの事業進出(低税率 合理的な法制度)

ヨーロッパの中心的存在「イギリス」について、その特徴とビジネス環境を以下にまとめます

特徴1 低税率

イギリスの法人税率は20%と現在でも主要先進国では最低水準ですが、これを17年に19%、20年には18%と段階的に引き下げる予定になっています。シンガポールに迫る低税率国とるため、欧州拠点を設立するには最適の環境と言えます。

特徴2 合理的な法制度

移転価格税制の小規模法人の免除や、即日会社設立サービスや、各種手続きが全てオンラインできるなど、合理的で法制度が整っています。


【ビジネス環境のまとめ】

法人形態
Private Limited Company(有限責任株式会社)が最も一般的な法人形態

最適資本金
規定なし

現地居住者の必要性
必要なし

Private Limited Companyの義務
決算日後9ヶ月以内に財務諸表を会社登記書に提出

会計監査
以下のような特定の小規模会社以外は登記所に提出する財務諸表は会計士による会計監査を受けている必要があります
監査が免除となる小規模会社は以下の3つのうち2つ以上を2期連続で満たす必要があります
(1)売上£650万を超えていない(グループ全体で£780万を超えていない)
(2)総資産が£326万を超えていない(グループ全体で£390万を超えていない)
(3)平均従業員が50人を超えない

会計基準
IFRS(国際会計基準)

主流会計システム(中小企業用)
英国発祥のSageが最も主流ですが、ニュージーランド発クラウド会計システムXeroも人気があります

法人税
最大税率20% 事業年度終了後9ヶ月以内に納付、12ヶ月以内に申告

資本参加免税
一定の要件を満たす株式持分から発生する譲渡益が免税となる

源泉徴収
配当は源泉徴収なし
利子、使用料共に20%の源泉徴収が基本だが、日本の親会社への支払の場合日英租税条約により0~10%の源泉徴収となる

移転価格税制
OECDガイドライン
APA(事前確認制度)有り
文書化義務有り
一定要件を満たす小規模企業には移転価格税制は適用されない

VAT(付加価値税
オランダ国内でのサービスや物品の売買
EU域内での物品の取得及び輸入
インプットVATとアウトプットVATを相殺

CFCルール(英国版タックスヘイブン税制
英国居住者(法人を含む)が低税率国に持つ法人の一定の所得について、英国株主に課税される。少額の場合や特定国の除外やグループリリーフなど、様々な免除規定もある

*当情報は2016年4月1日現在の情報です。

 

アメリカへの事業進出(巨大市場・高い利益性)

世界一の巨大市場「アメリカ」について、その特徴とビジネス環境を以下にまとめます

特徴1 巨大市場

GDP比で日本の4倍の市場*を持つアメリカは、日本企業にとって大きなチャンスとなり得るマーケットです。多民族多国籍国家のため他国のものやサービスを受け入れる土壌があり、合理的に優れたものであれば日本製でも中国製でも何でも売れる「入りやすい」マーケットであるとも言えます。

IMF – World Economic Outlook Databases

特徴2 高い利益性

カリフォルニア、ニューヨーク、シカゴなどの都市部では賃金や物価が高い水準にあるため、商品やサービスの価格を日本よりも高く設定することが可能であり、業種によっては利益を出しやすいビジネス環境となっています。


【ビジネス環境のまとめ】

法人形態
C corporation(株式会社)が最も一般的な法人形態

設立州
米国の法人設立は各州の州法に準拠するため、どの州で設立するかを選択します。デラウェア州が人気ですがビジネス形態に応じて適切な設立州を選ぶ必要があります

最低資本金
殆どの州で規定なし

現地居住者の必要性
必要なし

会計基準
US GAAP(米国会計基準)、IFRS、税法基準

主流会計システム(中小企業用)
Quickbooksが主流の会計システム。クラウド版のQuickbooks Onlineが人気。同システム用に開発されたサードパーティー製のアプリケーション(CRMシステム等)が充実している

法人税
最高税率35% 州法人税を含めると実効最高税率は40%近くとなる。申告は期末から3ヶ月目の15日

ユニタリータックス
多州に渡って業務を行っている場合、各州の州法人税の対象となる所得を「所得按分」によって決定する

源泉徴収
非居住外国人(法人を含む)に支払う配当、利子、使用料については30%の源泉徴収の対象となる。日本への支払の場合日米租税条約により0~10%の源泉徴収となる

移転価格税制
複数の価格算定方法の中から最も適した方法を選択するベストメソッドルールが採用されている
APA(事前確認制度)有り
文書化の規定はなく免除規定もないが、税務リスク軽減のために文書化する場合が多い

Sales and Use Tax
各州の規定により徴収する売上税・利用税で州内でも場所により税率が異なる。州によりルールが全く異なるためとても複雑な税体系となっている

CFCルール(米国版タックスヘイブン税制
米国企業の外国関連会社から得るサブパートF
所得(主に不労所得)を米国企業の税務申告に合算する税制。配当、利子、ロイヤルティなどが対象となる

*当情報は2016年4月1日現在の情報です。

オランダ への事業進出(ビザ不要・低税率・高い英語力)

日本企業の欧州拠点として昔から人気のある「オランダ」について、その特徴とビジネス環境を以下にまとめます

特徴1 就労ビザ不要

何と言っても最も大きな特徴はこの「就労ビザ不要」という点でしょう。100年以上前に締結された「日蘭通商航海条約」に基づいて、日本国籍者はオランダで「労働許可なく就労できる」という判断が2014年12月に下されました

就労ビザが不要になる事によって大きなメリットとなるのは「若手社員を現地に送り込める」事です。他の欧米諸国でも管理職であれば就労ビザを取得しやすいのですが、若手となるとなかなか難しいものです

日本と違い、賃金レベルに応じて業務のクオリティーの落差が激しい諸外国では、日本の優秀な若手社員がとても大きな武器になり得ます

特徴2 低税率

オランダの法人税率は最大25%です。米国や日本と比べると低税率であり、外国企業を呼びこむための様々な優遇税制も用意されています

特徴3 高い英語力

オランダの人々はとても英語力が高く、どこに行っても英語が通じないという事はまずありません。現地で雇用するスタッフや顧客とも英語でコミュニケーションが取れるため、他の英語圏以外の欧州諸国に比べて経営しやすい環境と言えます


【ビジネス環境のまとめ】

法人形態
非公開有限責任会社(B.V.)が最も一般的な法人形態

最低資本金
B.V.の最低資本金は0.01ユーロ

現地居住者の必要性
法人設立登記自体は非居住者(例えば日本在住者)のManaging Directorでも可能ですが、税務的には50%以上のManaging Directorが居住者でないと扱いが難しくなるため、実務的には現地居住者が必要と考えられます

株主の登記
取締役と同様に株主も登記する必要があるので、増資や株式譲渡の際には都度登記を変更する必要があります

その他B.V.の義務
期末から5ヶ月以内に財務諸表の作成
財務諸表作成から2ヶ月以内に株主総会での承認
株主総会から8日以内に財務諸表を商工会議所に提出

会計基準
IFRS-EU又はDAS(オランダ会計基準)。小規模企業は税法基準も採用可能

主流会計システム(中小企業用)
オランダ発祥のEXACTが主流の会計システムです。クラウド版のEXACT Onlineが人気です

法人税
最大税率25% 事業年度終了後5ヶ月以内に申告

資本参加免税
一定の要件を満たす株式持分から発生する配当や譲渡益について法人税を免除

源泉徴収
利子及びロイヤルティに関する源泉徴収なし
配当は通常25%の源泉徴収だが、日本の親会社への支払の場合日蘭租税条約により0~10%の源泉徴収となる

移転価格税制
OECDガイドラインが実務上の指針となる
APA(事前確認制度)有り
文書化義務有り

VAT(付加価値税
オランダ国内でのサービスや物品の売買
EU域内での物品の取得及び輸入
インプットVATとアウトプットVATを相殺

*当情報は2016年4月1日現在の情報です。